トップ レビュー フェイクかそれとも本物か?
それとも、フィクションというエクスキューズをまとうことで、ついにすべてを明るみに出した真犯人の告白なのか? 真実のありかは、本書を読んで、ぜひ自ら判断してほしい。 構成・文=波多野公美 府中三億円事件とは? 今から約50年前の1968年12月10日、東京都府中市の路上で、3億円を積んだ現金輸送車が偽の白バイ警察官により車ごと強奪された。犯人は武器や暴力を使わず、発煙筒をダイナマイトに見せかけて運転手たちを避難させ車を奪い、逃走用の車両を駆使して逃げ切った。死傷者を出さず、3億円は保険で補填され、誰も損をしなかった事件とも言われる。現場に残された白バイや、乗り捨てられた車など、遺留品も多く、犯人はすぐに捕まると思われた。しかし、7年にわたる大捜査にもかかわらず事件は1975年に時効を迎え、日本の犯罪史に残る未解決事件となった。現在の貨幣価値で20億円ともいわれる被害の大きさかつ、迷宮入りの完全犯罪となったため、フィクション、ノンフィクション問わず、事件をテーマとする作品は多い。 【Pick up! 読者の声】 ■本物なのか、フィクションなのか? ハラハラドキドキを楽しむ読み方ができると非常に面白い。(40代・男性)*読書メーターより ■先が気になる展開で一気に読まされた。これ、本当に事実なんだろうか? (40代・女性)*読書メーターより ■青春小説という体裁以上の何かがある。(50代・男性) ■著者が真犯人でなく、真相を推察した上で、真犯人像を想像してこの文章を創造したのであれば、紛れもなく天才(20代・男性)*読書メーターより ■犯人が今まで生きてこられたのは大変な幸運なわけだが、ちっとも幸せそうには思えない。人生の幸せとは何だろう。やはり犯罪は割に合わぬものには違いない。(60代・男性) ■読んでて飽きない。随所に読者に語りかけられるやり方も、最後の伏線の回収もお見事。エンタメってこういうことかー! (30代・女性) 【登場人物紹介】 イラストは『少年ジャンプ+』(集英社)にて連載中のMUSASHI/画によるコミカライズより。 (c)白田・MUSASHI/集英社 白田 大学2年生。今は平凡に過ごしているが、高校生までは省吾と暴走族に所属していた。バイクの運転がうまい。 省吾 白田の親友。行動力があるタイプで、暴走族のリーダー格。一目惚れした京子にアプローチするが……。 橋本京子 白田の大学の同級生。地方から上京している。女子校育ちで、男性にあまり免疫がなく、白田と省吾がはじめての男友達。 三神千晶 白田の大学の学生運動家。美人で頭がよく、カリスマ性がある。経済理論研究会の会長をつとめる。
真実の告白か?
昨年8月、あの「三億円事件」の犯人と名乗る「白田」による告白が、小説投稿サイト「小説家になろう」に公開され、ネットは騒然となった。12月に書籍が緊急出版されるや、発売5日で10万部を突破。「罪の意識が一切無いのです。(中略)――この事件は、私の青春そのものなのです。」白田の一人称で語られた事件の全貌は、果たして真実なのか?
りんご パウンド ケーキ レシピ 人気, 2024